〔第17分科会〕市民の力で貧困を絶ち人間らしく働き生活できる社会の実現を目指す決議働いても人間らしく生活できる収入を得られないワーキングプアが急増しています。年収200万円以下で働く民間企業の労働者は1000万人を超え、給与所得者の4.4人に1人に及んでいます。女性の場合、正社員の比率は47%に低下しており、女性の非正規雇用化が進んでいます。また、パートタイム労働法の適用がなく、雇用の保障がない法の谷間にいる非正規公務員も増えており、フルタイムで働いても人間らしく生活できる収入が得られない官製ワーキングプアが拡大しています。 ワーキングプア拡大の主な原因は、構造改革政策の下で、労働分野の規制緩和が推進され、加えて元々脆弱な社会保障制度の下で社会保障費の抑制が進められたことにあります。 労働分野では、規制緩和が繰り返され、経費節減のため雇用の調整弁として非正規雇用への置き換えが急速に進められています。それとともに、偽装請負、残業代未払い等の違法状態が蔓延し、不安定就労と低賃金労働が拡がり、正規労働者においても賃金水準が低下し長時間労働が拡大するという構造が生まれています。社会保障分野では、予算の切り詰めが最優先とされ、自己負担増と給付削減が続く中で制度が十分に機能していません。 格差の拡がりにより、一握りの金持ちが生まれる一方で、多くの市民は苦しい毎日を送らなければならなくなっています。このままでは、未来に希望がもてない社会となってしまいます。 そこで、私たちは、人間らしい労働と生活を実現するため、消費者運動、労働運動、社会保障運動など様々な取り組みをしてきた人たちが、枠を越え、立場を越えてつながり合い、以下の課題に取り組むことを決意します。
以上、決議します。 2008年11月8日 |