金利引き下げに関する宣言

平成18年に行われた画期的な法改正により、出資法の上限金利は年29.2%から20%にまで引き下げられることとなり、利息制限法の金利を超える金利は刑事罰または行政処分の対象となることが明確化された。

これにより、多重債務者の金利負担は減り、これまでと比較すれば、多重債務被害の減少に大きく寄与することと高く評価できる。

この画期的改正法を実効性あるものにするため、本集会第5分科会のT部では、自治体に相談窓口を設置し、多重債務者の掘り起こしを求めると共に、借りられなくなった低所得者層に対する、セーフティネットとしての貸付は如何にあるべきかを議論した。そして生活再建には給付型の生活資金が必要との意見も多数だされた。

本集会第5分科会U部では、法改正により、利息制限法で私たちの生活は守られる、出資法を利息制限法まで引き下げれば問題は解決するという暗黙の合意が形成され、事実上、現行の利息制限法の利率が聖域化されてしまい、世間には金利問題は一件落着と映ってしまっているが、この低金利時代に利息制限法の金利が妥当なものかとの議論をした。

長く続いた低金利時代に、公定歩合や銀行貸出平均金利の10倍を超える制限利率のまま、下げられずに放置されてきた。利息制限法制定当時(昭和29年)の銀行貸出金利は年9パーセント強の水準であったが、以降低下の一途を辿り、現在の国内銀行の貸出約定平均金利は年1パーセント半ばとなっているのである。このことは、高利貸金業者から借入をしてきた1400万人もの国民の生活が、懸命に返してもなかなか借金から抜け出せない状態に追い込む破壊的な要因となった。

 実際に、私たちは、利息制限法の制限内の利率の貸付けにおいても、多重債務被害が多く存在していることを把握している。

 私たちは、本日の分科会において、全市町村に多重債務者の相談窓口の設置と低所得者が生活再建できるセーフティネットの構築を求めていくこと、また利息制限法の上限利率においては、庶民の生活は維持することができないこと、黒字の事業者の利益をすべて利息の支払いに回しても足りず、赤字に転落する金利であることを改めて確認し、その上限金利引下げの運動を継続していくこと、を宣言する。

 


2007年9月30日 第5分科会提案
第27回全国クレ・サラ・商工ローン・ヤミ金被害者交流集会in滋賀 参加者一同